東京医大入試の不正問題をご存じでしょうか。
大学受験の際、女子の受験生はみな減点されていたという問題です。
そのようなことを行っていたにもかかわらず、東京医大は「女性研究者研究活動支援事業」として国から8000万円ものお金を受け取ったり、ダイバーシティ推進本部を作ったりしていました。
みなさんは、このニュースを聞いたとき、どう思われましたか?
このニュースについて考える機会があったので、今回学んだことをシェアしたいなと思います。
私がまず最初に感じたのは、ひどいという思いです。
女子を減点しておきながら、「女性研究者研究活動支援事業」として8000万円ものお金を受け取っていたなんて、本当に矛盾していると思いました。
補助金が支給される資格はないし、ダイバーシティ推進本部を立ち上げるくらいなら、女性の減点をやめて、公平に採点すべきだったと感じます。
その一方で、仕方がないと思う気持ちもありました。
妊娠・出産ができるのは女性だけです。
その期間は、仕事をセーブせざるを得ません。
そう考えると、雇う側が、休むことなく働き続けられる男性を雇いたいと思う気持ちもわからないではないと思うからです。
しかし、このような考えでよいのでしょうか。
働き続けたいと考える女性もいるはずです。
女性が育児するもの、家事をするものだという固定観念があるから、女性は働けないと思われているように思います。
男性だって、育児はできるし、家事だってできるはずです。
中には、もっとやりたい男性だっているでしょう。
しかし、男性が仕事、女性は家事という固定観念を取り外すことができないために、男性ばかり雇う環境ができあがり、このような不正につながっているように思えます。
本来であれば、どのようにしたら女性も仕事を続けられるかということを考えるべきだと思います。
出産で仕事を休む間サポートする体制や、より生産的な業務方法について考えることで、女性も働き続ける環境が作れるはずです。
ただ、こうしたことを考えるには、すごくパワーがいるのですよね。
現状を変えることになるのですから。
環境を変える方法を考えたくない、現状のままでいいという思いから、医師を雇う側が女性より男性がほしいと考えることになり、大学側もできるだけ男性を受け入れる制度設計を作ってしまったのではないかと思います。
東京医大をひどいと思いますが、大学だけの問題ではなく、日本全体の問題なのだと思っています。
こうした差別は医療業界だけでなく、政治や社会にも当てはまります。
日本は女性政治家の少ない国です。
女性にとって働きやすい環境は、高齢の男性政治家よりも、女性自身の方がわかるので、女性政治家を増やすべきなのですよね。
でも、女性は出産・育児・家事が負担になり、政治家をめざしにくい状況になっています。
よりよい社会を作るためには、多様性が重要です。
様々な性別、背景を持った人が集まることで、柔軟な制度を作ることができると思います。
女性の働きやすい環境は、日本全体にとってプラスになることです。
そのことに、多くの人に気づいてほしいです。
今回の東京医大の不正入試問題をきっかけに、日本から少しでも男女差別がなくなるといいなと願っています。