「運転者」という本を読みました。これがまた真をついていて、心に響くフレーズがたくさんありました。
生命保険会社に勤める主人公、修一が、不思議なタクシーに乗り込み、自分の運勢を変えていくお話しです。スピリチュアルとは違った、理に基づいたお話になっていると感じます。
この本を読んでから、自分自身の考えが大きく変わりました。多くの方に手にとってほしい!そう思ったので、紹介しますね。
「運転者」のお話しとは?
「運転者」を知ったのは、自分軸手帳部の2021年の本紹介でした。自分軸手帳部とは、自分軸手帳を使っている方が入れるコミュニティです。ここで、2021年に読んでおすすめの本を紹介するイベントがあり、「運転者」を知ることができました。
Kindleアンリミテッドという月定額料金で読み放題に登録されていると教えていただき、Amazonを見てみると、すごい高評価!さらに多くの方に読まれています。
これは気になる・・・!
そう思って、ダウンロードしてみました。
ストーリーは、生命保険会社に勤める会社員の修一が、不思議なタクシーに出会って人生の考え方を変えていくお話です。修一には、妻と中学生の娘がいます。先輩の勧めで今の会社に転職し、最初はお給料もよかったのですが、だんだんと顧客が取れなくなり、給料が下がってきました。
そんな中、大きな契約が破談になってしまい、さらに損失分を補う必要がでてきてしまいました。妻と予定していたバリ旅行も行けそうにありません。娘は不登校で、彼女のために貯金していた学費も取り崩さなければならないかもしれなくなってしまいました。
そんな最悪の状況の中、とあるタクシーが修一の前にやってきて、修一が乗り込みます。ここから始まるお話が、本当に印象深い!
印象深かった3点とは?
最悪の状況の中で、修一は何を学んでいくのか?私が印象深かったことを紹介しますね。
どんなときでも上機嫌でいる
最悪の状況の中、タクシーがやってきて乗り込んだ修一。タクシーの運転手は、「あなたの運をよくする場所へお連れします。代金はいりません。」といい、娘の中学校へ連れて行きます。
この日は妻から、学校の先生と娘の不登校について面談があり、都合がよければ来てほしいといわれていました。けれど修一は契約破談になった分を取り戻す必要があり、「俺は忙しいんだ。こんなことしている時間はないんだ」と思っていました。
教室では、先生と妻が話しています。それを一緒に聞く修一。雑談ばかりで、全然本質を突いているようには思えません。修一は不機嫌な態度をあらわにし、教室を去ります。妻は「どうして不機嫌になるのよ」と問い詰めると、「俺は忙しいんだ。こんな雑談をするためにきたんじゃない。仕事に戻る」と憤慨して出ていきます。
その後、またタクシーが表れます。修一は、運転手に「どうして中学校に連れて行ったのか。」と不満げに聞きます。不機嫌に終わったと話すと、運転手は「不機嫌になってはいけなかった。先生が保険契約をすることになり、さらに先生が数年後にさらに多くの顧客を連れてきて、あなたはトップセールスマンになるはずだった。」というのです・・・!
「とにかく、大事なことですから忘れないでくださいよ。運が劇的に変わるとき、そんな場、というのが人生にはあるんですよ。それを捕まえられるアンテナがすべての人にあると思ってください。そのアンテナの感度は、上機嫌のときに最大になるんです。逆に機嫌が悪いと、アンテナは働かない。最高の運気がやってきているのに、機嫌が悪いだけでアンテナがまったく働かないから、すべての運が逃げていっちゃうんです。昨日のあなたみたいに」
すごく納得しました。私も、最悪だと感じた出来事が過去にあります。でも、あのとき上機嫌でいられれば、現在に続く不幸な状況にはならなかったのだと心の底から理解できました。
すごくショックなときに、上機嫌でいることは本当に難しいことです。けれど、人間が相手である場合、人間には皆感情があります。不機嫌だったり、不安や不満ばかり口にしている人と一緒にいたいと思うでしょうか。思うわけがありません。
この話は、実業家である斉藤一人さんの「ツイてる!」という本にも通ずると思いました。斎藤一人さんは、どんなときでも笑顔でいるということを自分の使命として課していらっしゃいます。それが自分の運勢をよくするからだとおっしゃっていました。まさにこの「運転者」の本がおっしゃっていることと同じだと思いました。
「運転者」のこのストーリーから、どんなにショックなことがあっても、上機嫌でいるということを本当にを意識しなければと思いました。すごく難しいことであるけれど、必ず実践できるように意識していきたいです。
自分の人生でどんなことが起こっても、必要だから起こった大切な経験だと思えることこそがプラス思考
「プラス思考」と聞くと、どんなことがプラス思考だと思いますか?
私は、残念な出来事があっても、自分のいいように解釈して、プラスに考えることがプラス思考だと思っていました。
また、自分にとっていいことをイメージして、それを引き寄せるような考え方も実際にありうると思っていました。事実、自分が欲しいものをイメージしていると、自然と脳がそれに関連するものを選び出すということがありますしね。
しかし、「運転者」のタクシーの運転手は、こういいます。
「自分に都合のいいことをイメージしていれば、それが起こるなんて、プラス思考じゃないですよ。本当のプラス思考というのは、自分の人生でどんなことが起こっても、それが自分の人生においてどうしても必要だから起こった大切な経験だと思えるってことでしょう」
自分の人生において、どうしても必要だから起こった大切な経験・・・!
そんな風に考えたことがなかったので、驚きました。というか、思えないし、思いたくなかったというのが正解かもしれません。過去に、私があの行動をとらなければ、こんなことにはならなかったと思うからです。こんなに辛い経験も大切だと思うには、相当な気力がいります。
「もちろん、大きな失敗や予想外の不幸、いきなりやってくる大災害、僕たちの人生には、それが起こった瞬間に、『これも将来の自分にとってプラスなんだ』と納得することなんてできないことがたくさん起こります。だから、すぐにはそうは思えないのは当然ですよ。でも、いつかはそう思える日がやってきます。」
「運転者」のタクシー運転手は、そう断言します。そう、すぐにはプラスなんだとは思えません。でも、そう思っていたら確実に未来は変わっていたとも思います。だから、じっと耐え、自分の思いを変えていくことが、運を転ずるためには必要なのだと思います。
少しでもたくさんの恩恵を残して物語を去る
「運転者」のタクシーの運転手は、もう一つのプラス思考を紹介します。それは、人生を物語だと考えて、少しでもたくさんの恩恵を残して物語を去ることです。
「あなたがその物語に登場したときよりも、少しでもたくさんの恩恵を残してこの物語を去る。つまり、あなたが生きたことで、少しプラスになる。それこそが、真のプラス思考だって言えるんじゃないかと思うんです。」
これもすごく素敵な考え方です。失敗をしてしまったり、思いもよらないショックな出来事が起きると、何のために生きているのかと考えてしまうことがあります。
でも、自分のことばかり考えるのではなく、その次の世代のことを考える。自分に続く次の世代を見据えて、これからの世の中を少しでもよくするために生きているのだと考えると、生きている価値があると思えます。
これから生きていく中で、心の片隅に置いていきたいと思いました。
「どんなときでも上機嫌」が生きていくうえで重要なポイントだ
一体、タクシー運転手は何者なのか?なぜ無料で乗せてくれるのか?どうして運を転じる場所がわかるのか・・・?
疑問に感じることはたくさんありますが、それは本を読むと答えがわかります。
本の最後に、修一はすべてを妻に打ち明けるシーンがあります。そのすべてを聞いた妻の言葉も、また深く、すごくよい言葉です。
タクシーの運転手は「運がいい人なんていないし、運が悪い人なんていない。」といいます。運はポイントカードなのだそうです。その場では、何も起こらない。よいことをすると、ポイントがどんどんたまっていって、運がよいことがおきるといいます。
「運は〈いい〉か〈悪い〉で表現するものじゃないんですよ。〈使う〉〈貯める〉で表現するものなんです。」
そのため、運はポイント制だといいます。
運をたくさん貯める方法は、「誰かの幸せのために自分の時間を使う」。誰かのために相当すごいことをやってあげたのに、何もしてもらえなければ運が相当貯まるのだそうです。この考えも面白いですよね。
ちょっとスピリチュアルっぽい考えですが、最初に紹介したどんなときでも上機嫌でいるは、スピリチュアルとは違った真理をついた考え方だと思います。だって、不機嫌だったり、ずっと落ち込んでいる人と、人は一緒にいたいとは思わないし、ずっと落ち込んでいるからこそ、思考もどんどん、どんどんと不幸になる道を選んでしまうのだと思います。自分で勝手に、不幸を選び取っているのです。
それを学んだからこそ、これからはどんなときでも上機嫌でいることを心にとめていきたいです。自分が辛い状況だったり、ショックな出来事こそ、上機嫌ではいられません。それはわかっていますが、少しでもよりよい未来にするために、気を付けなければと思います。
すごく学びのある、本当におすすめの本です。是非手に取ってみてくださいね。
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