栃木県立美術館で開催された「文晁と北斎~このふたりただものにあらず~」という展示会に行ってきました。なんと、葛飾北斎の富嶽三十六景がすべて見られるというすごく貴重な機会だったのです!
私は葛飾北斎の富嶽三十六景を、NHKEテレの「びじゅチューン!」という番組で親しんで見るようになりました。作詞・作曲・アニメーションをすべて1人でおこなっている井上さんが、美術作品を軽快な歌にしている番組です。この中で富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」が「サパーンドブーンLOVE」という歌で取り扱われていて、おかげで子供たちも興味を持って絵画作品を見るようになりました。
葛飾北斎の富嶽三十六景といえば、「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」(通称:赤富士)が有名です。展示期間が前半と後半に分かれていて、前半に「神奈川沖浪裏」、後半に「凱風快晴」が展示されていました。そこで私は2回も(!)美術館に足を運んでみてきましたよ!
初めて見る葛飾北斎の富嶽三十六景はどうだったか。どんな絵で、どれくらいの大きさだったのか。色合いは?など、感じたことを紹介しますね。美術館で使われていた音声ガイドも興味深かったので紹介します。では、見ていきましょう!
葛飾北斎の富嶽三十六景とは?
そもそも、葛飾北斎とは何者なのでしょうか?葛飾北斎は、江戸時代後期の浮世絵師です。人間の仕草、人物、自然、虫、建物、龍などの架空生物、雨などの自然現象といったありとあらゆるものを絵に描いていました。 なんと90歳まで生きてらっしゃったというので驚き!80歳でも筆を取って、絵を書いていました。
富嶽三十六景を書いたのは70歳代のこと。「三十六景」とあるように36枚の富士山を含んだ絵があります。大変人気があったため、さらに10枚が「裏富士」として描かれました。富嶽三十六景の36枚は藍色の線で書かれていますが、裏富士の10枚は黒色の線で書かれています。こんな違いがあるなんて、面白いですね。
今回の展示会では、富嶽三十六景の36枚とともに、裏富士の10枚もすべて展示されていました。すごく貴重!ということで、早速絵の感想にいきましょう!
葛飾北斎は90歳まで長生きだった!「裏富士」があるもびっくり!
富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」はどんな絵だった?大きさは?
まず、富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」です。絵はこちら。
今回の展示会のチラシにも使われています。左側が葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」ですね。
波のしぶきが大きく、そして細かく書かれています。波が本当に力強い!そこにたたずむ小さな富士山が印象的です。波は濃い青と水色で書かれていて、色合いが綺麗。こうした細かい色合いを、版画でどうやって色づけできたのかがすごく不思議でした。
実際の絵を見たときに感じたのは、「意外と小さい!」ということ。私はばばん!と大きく書かれていることを想像していたのですが、実際の大きさは大判(約39cm×26.5cm)と呼ばれるA3とB4の間くらいでした。この大判は、当時の浮世絵としては一般的なサイズだったようです。
富嶽三十六景「凱風快晴」とはどんな絵?
続いて、有名な「凱風快晴」。見たことある!という方は多いのではないでしょうか。
展示会では期間が前半と後半に分かれていて、前半で「神奈川沖浪裏」、後半で「凱風快晴」が展示されることになっていました。確かに一気に36枚+10枚の46点を展示するのはかなりの場所を使いますものね。とはいえ、有名な絵を2回に分けて展示するなんて、美術館も考えているな!と思ってしまいました(笑)。
凱風快晴は赤い富士山と青空のコントラストが素晴らしかったです!青空には白い雲がわわわっと並んでいて、白と青が映えているのもいいんですよね。下の方には緑が広がっていて、山の下は濃い森林が広がっていることがわかります。富士山の力強さをとらえた素敵な浮世絵だなと感じました。
富嶽三十六景「尾州不二見原」とは?
富嶽三十六景と裏富士で全部で46枚の絵が展示されていますが、その中で私の印象深い絵があります。それが「尾州不二見原(びしゅうふじみがばら)」。「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」は大好きな浮世絵なのですが、「尾州不二見原」もなんだか心に残る浮世絵なんですよね。
大きな樽の中で、男性が一生懸命樽を削っています。その大きな樽の中の向こう側に、ちいさーーく富士山が描かれているのです。大きな円と、一生懸命働く男性と、小さな富士山のコントラストがなんだか印象的なんですよね。こうした構図を描くところも、葛飾北斎は素敵だなと思います。
見に行けてよかった!家族で美術館に行ってみよう!
美術館には子供も連れて家族で行ってきました。子供は小学生2人と幼児1人。館内は混み合っていて、子供もそんなに騒ぐことはなかったので、じっくり見ることができました。
音声ガイドも提供されていました。なんと、個人のスマホにポッドキャストのアプリをダウンロードし、美術館のアカウントから聞くという方法!費用は無料です。確かに今は感染症が気になる時代なので、個人のスマホを使うのならばちょっと安心ですよね。
私と夫のスマホでポッドキャストを立ち上げて、ガイドを聞くようにしました。イヤホンがないので、スマホを耳に近づけて、まるで誰かと会話しているような感じで絵を見て回ります。
長男(12歳)もガイドを聞きたいといったので、夫のスマホを長男が使って回りました。スマホを持っていない方はガイドを利用できないのが難点ですね。ガイドを聞いていたのはだいたい館内の1/5くらいの人だったので、あまり利用頻度は多くなかったです。みんなもっと利用すればいいのに!これは社会派ブロガーのちきりんさんのVoicyを聞いてから私も感じていること。
ちょうど文化の日で、その日は美術館が無料だったので、館内はすごい人!!でした。でも、多くの年齢層は中高年のかたで、やっぱり高齢になるほど時間があるんだなあと感じずにはいられなかったです。もっと若い人にも見に来て欲しいですね。
葛飾北斎の富嶽三十六景を見ることができて、本当に楽しい時間を過ごすことができました。こうして美術を楽しめるようになったのも、井上さんのびじゅチューンのおかげ。井上さんの「サパーンドブーンLOVE」はこちら。
見たい絵があったとき、美術館を訪れるのは楽しいものです。是非みなさんも機会があれば、美術館に足を運んでみてくださいね。素敵な体験ができること、間違い無しですよ!
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