先日、10歳長男の初めてのサッカーの試合がありました。サッカーを始めてまだ1ヶ月の長男。ルールも曖昧な中、最後まで試合に参加できました。頑張った!
しかーし、このサッカーの試合では、もやもやすることがありました。それは、サッカーの試合に対する長男の態度です。
サッカーは、長男自身が自分からやりたいといった習い事。でも、スポーツというカテゴリを絞っていたのは私であり、長男が心からやりたいと思ったというより、今まで見学した中でマシだと長男が判断したから、という理由になります。
長男が本当に好きなのは、ゲームです。好きなことをさせたほうがよい、という風潮がある現代。それならば、ゲームをやりたいだけさせてよいものか?ちょっと考えてみたので、紹介します。
サッカー試合はどうだった?
6月の暑い日、広い運動場でサッカー大会が開催されました。サッカーを始めて1ヶ月の長男も、試合に出させていただきました。チームは8人制。内2人がサッカーを始めたばかりで、比較的初心者向けチームになりました。
他のチームは、地域や年齢(3~6年生)も様々で、計12チームほど出場していました。試合は2つに分かれて総当たり戦をしたあと、トーナメント戦で順位を決めることになっており、戦力の弱いチームでもたくさん試合ができるように考えられていました。
長男は人見知りで、1人が好きなタイプ。小さい頃から人の輪に入るのが苦手で、人とぶつかり合うような経験がありません。そのため、サッカーボールを奪わなければいけないようなシーンでも、長男はちょっと及び腰。ボールを最後まで追いかけるのではなく、諦めてしまう傾向があると、試合を見てわかりました。
さらに、チームには同学年がいなかったため、チームメイトと会話をすることもなく(長男から話しかけることも当然ない)状態。会話がないと、コミュニケーションがうまくいきません。
大会は丸1日。長男なりに頑張って、2試合を終えました。1試合は勝ちましたが、もう1試合は負け。負けると悔しく、思うようにプレイができないこともあって、やる気はダウン。さらにお昼休みをはさんで、次の試合では強い6年生チームと試合することが決まりました。
サッカーへのやる気がどんどん下がる長男・・・
ゲームがしたいといいだした
お昼ご飯を食べると、「ヒマだー。ゲームがしたい。」と言い出しました。そもそも、試合への参加は長男がいいだしたことではなく、私が勧めたものです。ルールがわかるよい機会になると思ったからで、長男自身は乗り気ではありませんでした。
そんな引け目もあり、「じゃあ、動画でも見る?」と言ってしまった私。iPadのAmazonプライムで、長男が好きなアニメを見ることになりました。
せっかくの天気のもと、サッカー大会に参加しているのに、結局動画を見ている・・・。なんだかなあと思ってしまいました。
はきはきしゃべる子になってほしい
お昼休みが終わるころ、チームメイトの少年が声をかけにきてくれました。
「もうすぐ試合が始まるので、集まってもらえますか?」
この男の子は、試合中も果敢にドリブルで攻め、シュートも積極的におこなうような子です。先生に対しても自分の意見をはっきり伝えています。他の大人に対しても、物怖じせずに意見が言える子。
そうそう!こんな子に育ってほしいの!
自分の意見をきちんと言える。他のメンバーとコミュニケーションをする。そんなはきはきした子に育ってほしいと思うのですが、長男はそれができない。できないのか?やろうとしていないだけでは?経験値が足らないのでは?そんな風にも思います。
だからこそ、チャレンジできる環境を親の私は作っています。でも、このチャレンジの場が本人にとって辛いならば、取り除くべきなのか?本人が好きなことだけやればよいのか?本当に?そう思うのです。
好きなことをのばせばいいという。じゃあ、部屋でゲームでのびるのか?
嫌なことはやらなくていい。好きなことを伸ばせばいい。教育に関する本を読むと、こういう説明に出会うことがあります。
この考えでいくと、長男は涼しい部屋で、ゲームをしていればいいということになります。たった1人で守られた環境にいること。これって、本当にその子のためになっているのかな?と思います。なぜなら、実社会では多様な人と出会い、会話し、行動していく必要性があるからです。
でも、今はネット社会。選択すれば、人と関わらないような仕事を選ぶことも可能です。ゲームに没頭することで、eスポーツのようにゲームの大会で活躍する道につながるかもしれないのです。そう思うと、私が長男のためを思って用意している運動の環境は、不要な環境であることになります。
子どものためを思って、用意する環境。それが本当によかったのかどうか。これは、その子の人生が終わるまで、答えがでないと思うのです。
本当に答えがない!
親はみんな、こう育ってほしいと思って環境を整える。でも、伸びるかどうかは子どもの性質による。
実業家である堀江貴文さんの著書に、習い事のエピソードがあります。堀江さんは、柔道を習っていたのですが、大嫌いだったそうです。理不尽に正座させられたり、納得のいかないことをさせられることが多々あったからとのことでした。でも、親がやれというので、仕方なく数年間通っていたそうです。
このことからも、嫌々やる習い事は、その子にとってよい影響を与えることはないのだなと思います。自分自身を振り返ってみても、親の勧めでスイミングスクールに通い、泳げるようになった面はありますが、すごーく嫌だったという記憶があります。
親はみんな、子どもにこう育ってほしいという思いがあって、環境を整えています。音楽をさせたいと思えばピアノ教室に、計算ができるようにと思ってそろばん教室に、英語ができれば役立つと思って英語教室に・・・。
でも、子どもが心から嫌だと思っていたら、それはその子の糧になりにくいのだろうと思います。何か得られることはあっても、嫌な記憶が残ります。一番は、好き!といえることをすること。でも、その好き!が親が賛同しかねることだったら?将来的によい影響があるとは思えないことだったら?それが、今の私にとってのゲームです。1人で涼しい部屋にこもって、ゲームをすることが、本人にとってよい影響があると思えないのです。
これはもう、親の考えや方針によるのだろうなと思います。私は、はきはき話せる人の方がよりよい人生を歩めると考えていて、だからこそ、そうなるような環境を整えています。でも、もしかしたら、1人でじっと過ごしていた方が、よりよい人生が歩めるのかもしれません。子どもが将来、どこで、誰に出会うかなんて、わからないのですから。
未来は不確定である。それを認識しながら、それでも親がよりよいと思う環境を提案し、それを子どもがやってみて「続けたい!」というかどうか何だろうなと思います。
サッカー試合のその後は?
サッカーの試合が終わった後、長男は自分から練習を始めました。私と一緒にパスの練習をしたり、ゴールキーパーの練習もしました。
そして、試合後の感想文では、次のように書いていました。
「もっとパスの練習をしてちゃんとできるようにしたい。人とぶつかりそうになってもびびらないようにしたい。人の名前を覚えて頑張る。」
その後の練習にも変化がありました。一緒に試合に出た子の顔がわかるようになり、名前もでてくるようになりました。人とのコミュニケーションがとれるようになったのです。また、練習にも真剣に取り組んでいます。日々、10分でもボールを触るも続いています。メンタル面も強くしたいという気持ちがでてきています。
運動とゲーム、どちらがよりよい人生につながるのかはわかりません。でも、サッカーを通じて、今まで長男になかった精神面を強くする効果や、人とのコミュニケーション力を身につけることにつながっていることは確かです。
みなさんや周囲のお子様の様子はいかがでしょうか?親ができることは、環境を整備すること。子どもが興味を持ったことを続けられるように、環境整備していきたいですね。
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