チョコベリーの暮らしをちょっと豊かにするブログ

3児育児中のワーママです。ライフハック、子育てなど暮らしを豊かにするヒントや気づきを綴っています。

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「多様性の科学」を読んで感じたこと。平均値はあくまで平均であり、自分にあうとは限らない

「多様性の科学」を読みました。多様性は大切だということが、たーっくさんの科学的なデータや実際に起きたことをもとに説明されています。

 

特に印象的だったのは、健康に関する事例。誰しも、健康に長生きしたいと思うものです。そのために、食事に気をつけている人は多いのではないでしょうか。この気をつける内容も、実は考える必要があったのか!と衝撃でした。

 

「多様性の科学」から学べることは何なのか?読んで、特に印象的だったことを紹介します。

  

 

平均値が自分に合うかどうかはわからない

 

「多様性の科学」を読んで、一番印象に残ったのは「平均値が自分にあうかどうかはわからない」ということです。

 

1940年代年末、米空軍はある謎を抱えていました。当時、航空工学のレベルは空前の領域に達したと思われていたものの、空軍では墜落や胴体着陸、突然の急降下などさまざまな事故が立て続けに起こっていたそうです。

 

1952年、ダニエルズ中尉はオハイオ州のライト・パターソン空軍基地で、4063人に及ぶパイロットの寸法を測定するプロジェクトを開始しました。親指の長さ、股下の長さ、目と耳の距離など計140カ所を丹念に調べ上げます。その後、コックピットの設計にもっとも重要だと思われる10カ所測定結果について、まずは従来のように平均値を出してみました。

 

空軍の専門家の大半は、大多数のパイロットが平均値に収まるだろうと考えていました。ところが!10カ所すべてが許容範囲に収まったパイロットは、ゼロだったのです・・・!

 

標準化されたコクピットこそ、事故多発の根本的な原因。そう気づいた空軍は、設計を一からやり直し、コクピットを個人の体格に合わせるように変えたそうです。パイロットが自分で座席の高さやレバーの一を変えられるようになると、事故は減少したとのこと。しかも、この設計にかかったコストは、事故によって被るコストに比べれば僅かなものだったそうです。命の重さと比べても、それは当然ですよね。

 

「平均値」という言葉をよく聞きますが、それが当てはまらない場合もある。それを痛感する事例でした。

 

健康情報も平均の話であり、人によって異なる

 

さらに驚いたのは、健康情報に関する平均値です。64歳の被験者、タルヤの例がとても参考になります。

 

元小児科の看護師で、イスラエル北部から移住してきた彼女は、糖尿病予備群でした。しかし、食生活は健康的で、1日を通してバランスの良い食事をとっていたそうです。野菜や果物もたっぷり摂取。庭でいろんな食物を育てていて、特にりんごやネクタリンが大好き。そのため、何が原因かわからなかったそうです。

 

ある日、病院で食事後との血糖値を定期的に測定することになりました。実際に測ってみると、その結果にびっくり!なんとネクタリン、メロン、トマトで血糖値が急上昇していたというのです!その後、タルヤが自分に合った食生活に変更すると、体重は17キロ落ち、血糖値は20%も下がりました。

 

また、新たに糖尿病予備軍の被験者26人を集め、各被験者に合わせて2種類の食事を用意しました。1つは血糖値を上げにくい「良い食事」で、もう1つは血糖値を上げやすい「悪い食事」です。

 

その結果はどうだったのか?結果は、ある被験者にとっては「悪い」ものはある被験者にとって「良い」ものという結果がでたそうです。例えば、良い食事が卵、パン、豆腐、野菜パスタ、枝豆、そしてアイスクリーム!アイスクリームが良い食事という結果になったなんて、驚きです。

 

一般的に「悪い」とされている食事も、人によっては「良い」食事になることがある。それぞれ個人の特性に合わせた食事にすることが必要ということは、健康に対する概念を大きく変えたと思います。一般的に「良い」とされているものを信じ込むのではなく、自分にとってはどうなのか?と考えることも大切ですね。

 

広範な分野で、女性の存在がまるでないものとされている

 

「標準化」は私たちの社会に深く根付いていて、それは教育にも当てはまると筆者は言います。確かに、教育って標準化されていますよね。個別におこなっていたら、いくら時間があっても足りないかもしれません。

 

教育と同じように標準化は一般の社会にも広がっています。特に顕著なのが、男性の被験者を対象としたデータの平均値を、女性に適用しようとするケースだそうです。確かに、男性と女性は全然違う!標準化は難しいはずです。

 

しかしながら、とても広い範囲で、女性の存在がまるでないものとされているとのこと。それは、悪気があってのことではありません。何世紀もずっとそうだったように、そもそも女性のことを考えていない状況があるようです。

 

男性と女性の個体差についてより理解が深まっている今だからこそ、それぞれの特性にあった環境作りが大切だと感じました。

 

複数の視点で落ち着いて考えることが大切

 

「多様性の科学」では、複数の視点を持って、落ち着いて考えることの大切さが説かれています。多様性が重要であるということは、広く言われてきていますが、まだまだ実際の社会に浸透しているとはいいがたい状況だと思います。特に、単一民族国家である日本は、多様性が根付きにくい部分があるように感じます。

 

それでも、本書を読んで、改めて多様性の大切さを理解することができました。特に、平均値を信じることができないケースがあるということは、大変驚きでした。それぞれ人の性質や体質は異なっているので、個別に見ていくことが大事ですね。

 

つい、何事も標準化して考えたり、見てしまいがちです。でも、そうではなくて、個別に考えることも意識しながら、社会を見ていきたいと思いました。多様性について考えるよいきっかけになりますので、是非手に取ってみてくださいね。

 

 

 

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