これ、本当に実話なのかしら・・・?
本を読んで、まず感じたことです。そう感じてしまうほど、驚くようなストーリーでした。
今、叶えたい夢がある方に読んで欲しい!そう思ったので、この本を紹介します。
「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の内容とは?
筆者のジェームズ・ドゥティ氏は、貧しい家庭に生まれました。アルコール中毒の父と、うつ病の母がいて、恵まれない家庭環境の中で育ちました。
筆者が少年だったある日、マジック店でルースという女性に会い、マジックを教えてもらいます。「毎日1時間練習してね、必ず効果があるから、信じて」といわれます。
めちゃめちゃ怪しいですよね・・・。でも、少年は不信に思いながらも、真面目に練習をするのです。その結果、夢であった脳外科医になるということを叶えたのです・・・!
その後、また辛い出来事が起きるのですが、ルースのマジックを思い出し、大きな富ではなく、本当に自分が幸せに感じることは何か気づきました。そして、その大切なことを選び取っていくお話しです。
貧しい貧困家庭の中、脳外科医という夢を叶えたのがすごい!
本のおすすめポイント3つとは?
この本を読んで感動したところはたくさんあります。けれど、話してしまうと長くなりますので、3つお伝えしますね。では、見ていきましょう!
1.夢を叶えるルースのマジックがすごい!
このお話しの何がすごいかというと、やっぱりルースのマジックです。
筆者は少年時代にマジック店でルースと出会い、夢が叶うというマジックを教えてもらいます。種類は全部で4つ。
1.からだを緩める
2.頭の中の声を止める
3.心をひらく
4.なりたい自分を描く
1はからだをリラックスさせること。2は瞑想。3は人に愛を贈ること。4はイメージすることになります。
思うだけで実現するの?
それが疑問でした。ただからだをリラックスさせたり、瞑想するだけで願いが叶うなんて、スピリチュアルっぽい・・・。そう思いますよね。
でも、筆者はこれを実際に行う事で、家を追い出されることを逃れたり、受験に合格したり、仕事を得ることができたりと夢を叶えていくのです。
筆者は脳外科医になってから、これらのマジックを科学的に考察します。一体、これは何なのか?科学的な知見から分析した結果、単純なマジックではなく、「マインドフルネス瞑想」の要素があることがわかりました。
マインドフルネスとは、「今ここ」に意図的に意識を向け、価値判断をせず、ありのままに受け入れる状態のことをいいます。マインドフルネスを行う事によって、ストレス軽減、不安障害やうつ病の改善、感情コントロールの改善に効果があるとされています。
これができるようにするためには、脳のトレーニングが必要。そのトレーニングとして、瞑想が有効なのだそうです。
例えば、筆者は、脳外科医になることをずっとずっと、毎朝毎晩、くる日もくる日も、何週間も何ヶ月もイメージをしました。メディカルスクールにいくことを想像するのではなく、脳外科医になったときのことを想像していました。
そして、セレンディピティといわれるような偶然の出会いを筆者はつかみます。あるとき「カリフォルニア大学アーバイン校」に申し込む女の子に出会います。そこで、なんと願書をもらえるのです!
テストの点数はとても足りないと思いましたが、受験をしました。そして、届いた白い封筒を開けると、合格通知だったのです。
ただ願うだけで実現するというのは、なかなか信じられないことです。けれど、出会いのチャンスを逃さず、受験を申し込み、テストを受けるという行動をしたからこそ、合格への道が開きました。
受験しなければ、合格もあり得ませんでした。こうした行動がとれたのは、筆者が叶えたい願いを思い浮かべていたからだろうと思います。
なお、3つめのマジックである「心をひらく」は、必ずやってほしいとルースはいいます。マジックの中で、とても重要なものだというのです。
しかし、筆者はこのマジックが苦手でした。なぜなら、自分が嫌いな人にも愛を贈るという行為が必要だからです。
この自分が嫌いな人にも愛を贈るということは「慈悲の瞑想」だと、Voicy人気パーソナリティであるワーママはるさんが話してらっしゃいました。ヨガの勉強をされているときにでてきて、学んだそうなのです。
「慈悲の瞑想」というものがあるんだ!
このお話しがあったからこそ、私はマジック3の内容を理解できました。このお話しがなかったら、本当にこんな瞑想ってあるの?って思っていたと思います。
ルースのマジックを、私も実際に試してみています。マジック2を、3~5分くらいの瞑想の時間としています。
ろうそくの炎を見るのもよいとあったのですが、本物のろうそくだと火が危ないですよね。LEDタイプのろうそくがあると知り、早速購入して使っています。これはいい!とても落ち着くのでおすすめです。
2.心は傷ついたときに開くものであり、痛みを通して人は成長する
貧しい家庭、ケンカばかりの両親、いつ家を追い出されるかわからない不安・・・。そんな辛い状況の筆者に、ルースはいいます。
傷や痛みにはすごい目的があるの。心は傷ついたときに開くものであり、痛みを通して人は成長する。難しい経験を通して大きくなるから、人生で出遭う困難はすべてありがたいと思わないといけない。問題がない人はかわいそう。マジックを体験できないから、と。
しかし、筆者はこれに対して疑問を抱きます。すべてをもった幸せな人も、かわいそうだと思わなければいけないの?と。私も同感です。
できるならば、辛い体験は避けたいと思います。人生で出遭う困難を乗り切るための考え方なのだろうかとも思います。
それでも、ルースが問題がない人はかわいそうとまでいいきるのは、それだけ心が傷ついたとき開き、痛みを通して成長した経験があるからこそなのではと感じました。この言葉の意味を、これからも考え続けてみたいと思います。
3.欲しいものが必ずしも自分にとっていちばんいいものとは限らない
脳外科医になった筆者は、だんだんと瞑想をしなくなります。日々忙しく、そんな時間はないと思うようになったのです。
そして、大金を手に入れるようになり、あと1年で引退だというところで、ドットコムバブルの崩壊。筆者は数百万ドルの借金を背負い、事実上破産しました。辛いときに、誰もそばにはいませんでした。
荷物をまとめていると、ルースの教えをメモしたノートが見つかります。
「心はコンパスなの。いちばん大切な贈り物よ、ジム。もしいつか道に迷ったら心を開きなさい。そうすれば、正しい方向に導いてくれる」
ルースの言葉です。
心をひらくというのは、筆者の苦手な3つめのマジックのこと。筆者は、久々に心のマジックをおこないます。すると、また大金が筆者の手元に戻ってくるチャンスがやってきます。しかし、なんと筆者はそのチャンスを手放したのです・・・!本当に必要なものは、お金ではないと気づいたからです。
「欲しいものが必ずしも自分にとっていちばんいいものとは限らない。」すごく印象的な言葉です。
誰しも、お金があれば幸せになれると考えます。高級な車に乗って、広い家があって、遠くの島へ遊びに行けるような時間もあったら、素晴らしいですよね。
確かにお金はなくてはならないものです。でも、本当に大金があれば幸せなのでしょうか?
本を読むと、お金がすべてではないということを実感します。お金よりも、人とのつながりや、家族とのふれあい、健康と余裕のある時間。そうしたものの方が幸せを実感できると思いました。
筆者は、富が幸せをもたらす方法はたったひとつだと気づきました。それは、人に与えることです。
そして、地域センターを設立するなど、人に与える活動にシフトしていきます。この他にも、多様な活動を始めていきました。素晴らしいなと思いました。
もちろん、人によって考え方は様々なので、お金があれば幸せを感じるという方はいるでしょう。でも、自分にとって必要なものは何なのかについて考える良い機会になりました。
心のコンパスを大事にしよう
この本には、私が紹介した以外のたくさんのストーリーが展開されていきます。本当にドラマのようで、信じられない出来事が多いのですが、実話とのこと。
ルースのマジックのやり方も、詳しく手順がのせられています。ちょっとスピリチュアルっぽいマジックですが、瞑想自体は科学的に効果が証明されているものでもあります。
私が一番心に響いたのは、心のコンパスを大事にしようという言葉です。心が本当に求めているものがよく見えなかったり、わからなかったりすることもあります。でも、自分の心と向きあうことで、失敗しながらでも見えてくることがあるのだなと思いました。
今、叶えたいことのある方、悩みのある方にとって、ヒントがたくさんつまった本だと思います。是非、手にとって読んでみてくださいね。課題の解決につながることがあると思いますよ。
なお、筆者のインタビューも見つけました。本当に実在する人なの?と思った方は、読んでみてくださいね。
※2021年8月14日追記
マインドフルネス瞑想で、すべての夢が叶うわけではない。そう実感することがありました。
私の瞑想の仕方がよくなかったのかもしれません。私の行動の方向性が誤っていたのかもしれません。
でも、ただ願うだけで実現することはないのだと実感しました。
この本の筆者は、マインドフル瞑想で夢が叶いましたが、それを実現できるだけの何かがあったのだろうなと思います。
注意いたしましょう!!