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3児育児中のワーママです。ライフハック、子育てなど暮らしを豊かにするヒントや気づきを綴っています。

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「そして、バトンは渡された」子供自身に決めさせることについて深く考えさせられた話

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「そして、バトンは渡された」をご存じでしょうか?

 

2019年本屋大賞受賞作品。2021年には映画化もされています。Kindle本の評価を見ると、すごく高評価で多くの方に読まれていたので、気になって読んでみました。

 

読んで感じたのは、主人公、優子の幼少期の後悔シーンにぐぐっとこみ上げるものがあり、考えてしまったということです。

 

いったい何を感じたのか?若干、ストーリーのネタバレになることがあるので、まだお読みになっていない方はご注意くださいね。では、見ていきましょう!

  

 

「そして、バトンは渡された」とは?

 

まずは、「そして、バトンは渡された」とはどんなお話しなのか、概要を紹介しますね。

 

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、
出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
(Amazon概要欄より引用)

 

とにかく、実際には起こりえないと思われるほど、主人公の優子は親が変わります。最初は幼いときに実母を亡くし、ブラジルに海外赴任することになった実父と別れ、継母と暮らすことを選択します。

 

その後も、継母の都合で父が変わっていきます。どんな環境になっても、受け入れて、生きていこうとする優子の姿に勇気をもらえますし、どの親も優子を愛情かけてそだてていくので、子供を育てることについても考えさせる内容でした。

 

Amazonではすごく評価が高いのですが、私はすごく印象に残っているシーンがあります。そのことについてまとめてみますね。

 

読んで印象深い3つのこと

 

優子の後悔が心に迫るものがある

1番印象的だったのは、海外赴任することになった実父と一緒にブラジルへ行くか、再婚相手である継母の梨花さんと日本に残るか、優子自身が決めることになり、その決断を優子が後悔するシーンです。

 

幼い優子は、友達と離ればなれになりたくないという理由から、継母の梨花さんと日本に残ることを選びました。しかし、結局、一緒にいたいといってくれた友人は、大きくなったら離れていきました。友達はずっと一緒にいるものではないのだ。そう優子は気づき、あのとき実父と一緒にいるか、義母と一緒にいるかを自分に決めさせたことを悔やみます。

 

私に選択なんてさせるべきじゃなかったのだ。お父さんと梨花さんが自分たちで決めて、私を納得させるべきだった。小学校高学年になると言ったって、まだ十歳なのだ。正しい判断が、そのあと悔やまない判断が、できるわけがない。
(本文より引用)

 

幼少期ではわからないことがある。気づかないことがある。大人として気づいていること、わかっていることを子供には嫌がられても教えてあげるべきだと思いました。それが必ずしもよい選択とは限らないのだけれど。

 

記憶があふれだすと、もう止められなかった。お父さんがいた時に戻りたくなって、どうしようもなくなってしまう。そんなことかなうわけがないから、泣くことでしか、気持ちを収めることができなかった。
(本文より引用)

 

この言葉から、優子が本当に、心から悲しみを抱いていることがよくわかります。優子自身が自分で継母である梨花さんを選んだと理解しているし、お父さんと一緒に行くことを選んでも、きっと違う寂しさが襲ってきたはずだと考えています。そのため、涙を流すけれども、また前を向いて歩き出すのです。

 

そんな優子の姿を見て、子供にここまで悲しい思いはさせたくない。何が正解かなんてわからないけれど、大人としてわかる範囲でのアドバイスはしていきたいと思ったのでした。

 

継母の梨花さん。自由奔放にも程がある。

継母の梨花さん。本当に自由奔放な人として描かれているのですが、個人的にはなんてひどい人なのかと思わずにはいられませんでした(苦笑)。

 

だって、結婚した優子の実父の海外赴任についていくことを選ばず、優子のピアノがほしいという言葉から裕福な方と結婚したものの、その家が合わないからといって出ていってしまうのです。それも優子を愛していたからこそだといわれればそれまでなのですが、端から見ると本当にひどいとしか思えませんでした。


ただ、可愛らしい装いの梨花さんは、「にこにこしていたら、ラッキーなことがたくさんやってくる」と優子へアドバイスします。これは、真意を得ていると思います。自由奔放で可愛らしい梨花さんだからこそ、身につけている処世術なのかなと思ったりします。

 

食事の描写がたくさんでてきて、美味しそう

本の中には、食事の描写がよくでてきます。優子の継父として一緒に暮らす森宮さんが、愛情いっぱいに料理を作ってくれるのです。

 

カツ丼、餃子・・・。カツ丼は、学校の始業式が始まるからと朝に作ってくれたもの。餃子は、優子が友人関係で悩んでいるときに、励まそうと作ってくれたもの。どれも、今じゃなくてもとか、そんなに作らなくてもとか、ちょっと外れた森宮さんの感覚に苦笑いしてしまうのですが、食事を作ってくれることから愛情を感じます。

 

本の中に出てくる料理は、とても美味しそう。人間にとって、食が重要なものの1つなのだと実感しました。

 

人生のバトンは、どんどん次へ渡されていく

 

最後は、優子は自分が好きになった人と結ばれ、歩いて行きます。ただ、選んだ人がまた独特な人で・・・。どうしてこのような放浪してしまう人に惹かれてしまったのかなと思ってしまいます。

 

でも、自分が好きになった人と結ばれ、かつ、最後はすべての人に祝福されながら歩いて行くので、本当によかったなと思います。これがまさに「そして、バトンは渡された」なんだなと思えました。

 

人生は、思い通りにいかないことが起きるものですが、そんな中でも、自分ができることをしっかりやっていくことの大切さを、優子の生き様から教えていただきました。次にバトンを渡すのは誰なのか。是非、手に取ってみてくださいね。

 

 

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