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3児育児中のワーママです。ライフハック、子育てなど暮らしを豊かにするヒントや気づきを綴っています。

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「<叱る依存>がとまらない」を読みました。叱ることには意味がなく、叱る側にニーズがあると学んだ話

叱ることには意味がない。それを教えてくれる本を読みました。「〈叱る依存〉がとまらない」という本です。

 

この本はVoicyパーソナリティのはるさんや虫育児ワーママかおさんの紹介で知りました。表紙が随分ファンキーなので、どんな内容かなと思ったのですが、育児や仕事をしている人にとってすごく役立つ内容になっています。

 

筆者である村中直人さんは臨床心理士。「怒る」と「叱る」は違うことだとよくいわれますが、村中さんはそもそも叱らなければしつけができないという考え自体が誤りだといいます。なぜその考えが誤りなのか、叱ることで脳では何が起きているのかなど、科学的な根拠から説明されています。

 

子供や部下が成長するには、叱ることは必要だと考えている方。苦しまないと人は変わらないと考えている方。そう感じている人に是非手にとってほしい本です。「叱る」ということについて考えが大きく変わる1冊です。

  

 

「叱る」ことには報酬がある

 

人を叱るときは、どのような気持ちになるでしょうか?誤ったことをしているので、正してほしい。相手に良くなってほしい。そういう思いで叱っている方が多いと思います。

 

けれど、叱ることには報酬があると筆者はいいます。人は誰かを叱ることで気持ちよくなったり、充足感を得るようになっています。叱る人の脳内では報酬系回路が強く活性化し、ドーパミンが大量に放出されているのです。そのため、単純に自分が感じている閉塞感や痛みを、人を叱ることで解消しているだけの場合もあるとのことでした。

 

叱る依存への入り口は叱られる側にあるのではなく、 叱る側のニーズにあるといいます。うまくいかない現実に対するイライラなのかもしれない。低すぎる自己評価や、他者への劣等感なのかもしれない。多忙による慢性的な疲労や、極度の体調不良があるのかもしれない。いずれにせよ「受け入れがたい現実」を抱えている状況があると考えられるそうです。

 

わー、なんだかすごく納得する・・・!

 

アーティストSEKAI NO OWARIの歌「habit」「説教するってぶっちゃけ快楽」という歌詞があります。まさにこのことと同じだと思いました。会社でも、部下を叱責してらっしゃる方がいます。きっと相手に良くなってほしいという思いからなのだとは思いますが、別に叱らなくても相手には伝わるはずなのです。この本を読んでから、叱責している方を見ると、自分を強く見せたいのか、何か大きな痛みを抱えているのかもしれないと考えるようになりました。

 

苦しまなければ人は変わらないという考えは思い込み

 

でも、叱らなければ人は変わらないのでは?

 

そう思う方もいらっしゃるでしょう。でも、そもそも叱らなければしつけができないという考えが誤りだと筆者は考えています。なぜならしつけとは社会規範の獲得であるためです。一つ一つの行動やルールの意味を考え、咀嚼することで人はその行動を自分のものにしていきます。しつけは知的な理解によって習得されるものであるため、人の防御モードを発動させるような叱るや罰が果たす役割はとても小さいと考えているとのことでした。

 

「苦しまないと人は変わらない(学ばない、成長しない)」という思い込みが、多くの人の中に存在している。そのため、叱ることに効果がなくても叱ってしまうとのことでした。

 

うーむ、「叱る」という行為について考えさせられる・・・!

 

見えない厳罰主義がある日本

 

罰則規定として提示されない「見えない厳罰主義」もあると筆者はいいます。これは、明確な規則がなくても、「叱られる人」の経済的負担や身体リスクが放置され、結果的に罰を与えている形となるような場合のことだそうです。

 

例えとして、日本における中絶医療の問題があげられていました。日本で人工妊娠中絶を行う場合、金属製の器具を用いて子宮内から胎児をかき出す搔爬法と呼ばれる方法が用いられることがあるそうです。しかし、この方法は、なんと!世界的には時代遅れとされ、先進国ではほとんど行われていないそうなのです。

 

また、 緊急避妊薬も、海外では薬局等で安価に入手できる国が多くあるのに、日本では医師の処方が必須となっています。緊急避妊薬は性交から後72時間以内に服用することで高い避妊効果があるとされているため、病院を予約して、受診して、薬を処方してもらうなんてことがしていたらあっという間に72時間は経過してしまいます。

 

子供を予想外のことで授かることは女性だけの問題ではないのに、女性自身の避妊の選択肢が少なくなっています。まるで、子供を授かったのは女性の問題であると罰を与えているかのようです。中絶になってしまうこと自体がない方がよいことですが、もっと女性が自分のことを自分で決められる状況に変えていくべきだと感じました。

 

「叱る」の考え方が変わってきた。穏やかな日々を送るために是非読んでほしい1冊

 

この本を読んでから、私自身の子供に対する対応が変わってきたと感じています。子供を叱る時は、自分を客観的に見つめるようになりました。なぜ私は今怒りを感じているんだろう?そう自分に問いかけると、仕事で疲れていたり、体調が優れなかったり、時間に余裕がないといった状況が多いということがわかりました。

 

反対に、すごく嬉しいことがあったり、わくわくするような出来事があったりすると、子供が困ったことをしたとしても、比較的穏やかに注意をすることができます。やっぱり、「叱る」という行為は自分でコントロールできるものなのだと実感します。(そうはいっても、コントロールできないときもある笑)

 

また、この本では、「叱る」をやめられない人の多くには、そうならざるを得なかった背景があると書かれています。叱り続けてしまう人にも、幼少期に叱られ続けてきた背景があるかもしれないのです。そのため、叱ること以上に有益な方法はないと考えていることもあるとのことでした。

 

私は叱ってる人を見ると、その人の背景を考えるようになりました。自分を強く見せたいのかもしれない、体調がすぐれないのかもしれない、何か嫌なことがあったのかもしれない。または、小さい頃に叱られてばかりで育ってきたのかもしれない・・・。そんなことに思いをはせつつ、でも叱ることに効果はない!と考えます。すぐ怒ってしまう方にそっと差し出して読んでほしい。そう思うほど、広がってほしい本だと思いました。

 

叱ること自体をやめるのは難しく感じる方にとって、役立つと思う考え方がありますん。それは、仕組みについて考えることです。何かうまくいかないことがあったときに、人を責めるのではなく、仕組みを見直してみるのです。例えば、子供が片付けがうまくできないときは、おもちゃの置き場所がよくないのかもしれません。時間がないと焦ってしまうときは、事前に準備をする仕組みが上手くできていないのかもしれません。問題が起きて怒りを感じてしまうのならば、人ではなく、どの仕組みを直すことで、叱ってしまう構造をなくしていけると感じています。

 

あなたの周りでも、すぐに「叱る」行為をしてしまう方はいないでしょうか。または、ご自身がすぐに「叱る」という行為をしてしまってはいませんか?もし思い当たることがあれば、是非手にとってほしいです。子供や家族、職場での人との付き合いが、きっと大きく変わりますよ!

 

 

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