人生で、すごく落ち込んでしまったとき、思いがけないような出来事にあったとき、本当に辛いですよね。
でも、そんなときに出来事が好転する、とても役立つ考え方に出会いました。
営業コンサルタント、和田裕美さんの「陽転思考」です。
和田さんのお名前と「陽転思考」という考え方を聞いたことはありましたが、詳しく内容を知る機会はありませんでした。今回、「陽転思考」の本を読んで、そういう考え方だったのか!ととても納得しました。
シンプルでわかりやすい。本当に誰にでもできる考え方です。スピリチュアルとは違った思考の扱い方です。
これを知っているだけで、大きく人生が変わる。そう思ったので、「陽転思考」について紹介しますね。
陽転思考とは?
著者の和田裕美さんは、営業コンサルタントとしてとても有名な方です。営業成績が優秀な方なので、幸せな人生を歩まれているに違いないと思っていました。
しかし、本の冒頭で、驚きの事実が明かされます。仕事で辛い目に遭った経験や、お母様の医療事故、ご自身の病気や離婚まで。そんなに辛い経験があったの・・・?と驚くことばかりです。
ただ、本書ではその不幸と思われること、お母様のことや離婚についての詳細は一切語られません。それだけショックが大きかったのかもしれないし、相手に迷惑がかかることなのかもしれません。しかし、そんな不幸も全部ひっくるめて、私は幸せだといいきります。
どうして言い切れるのか?それは、筆者には「人間は幸せになるために生きてきた」と考える信念があるからです。
人はみな、幸せになるために生きてきたと考えると、どんな困難にも幸せな部分が見えてきます。そして、どんな困難も幸せだと思える考え方があると筆者はいいます。それが陽転思考です。
陽転思考とは、あたかも100%マイナスとしか思えないようなときでも、プラスを探し出し、プラスとマイナスを比較して、どちらの道がいいかをチョイスする方法のことをいいます。
具体的にどういうケースがあるのか、わかりやすい事例を紹介しますね。
「事実は1つ、考え方は2つ」という考え方
例えば、仕事で大失敗をしたとします。
ある人Aは、自分なんてもうダメだと暗い顔をします。ずっと愚痴ばかり話していました。そうすると周りの人もなんとなく近寄りがたくなり、Aから離れていきます。そしてAは仕事を辞めることになってしまいました。
反対にある人Bは、失敗は元に戻せない、ここから何を学べるか考えようと気持ちを切り替えました。そうすると、自分がおごっていたからだとか、自分が直すべきポイントが見えてきます。これを変えていこうと前向きに出社すると、周りの人も頑張れよ!と応援してくれて、よい循環が回り始めました。
この2つの人生の比較、とてもわかりやすいと思いませんか?1つの事実に対して、考え方は2つ。問題をどうとらえるかで、人生が変わってしまうのです。
紙の真ん中に線を引き、現状とよかったを書いて比較する
そうはいっても、ただ落ち込んだままの状態でいるAの気持ちもよくわかります。そんな状態になってしまったことが信じられないし、受け入れたくないのです。
どうしてこんなことになってしまったのか、あのときあの行動をしなければよかった。そんな後悔や自責の渦が、ぐるぐると自分の中に湧き起こります。
そういうときにどうしたらよいのか?そんな時に役立つのが、筆者が紹介する紙の真ん中に線を引き、現状とよかったを書いてみる方法です。
1.紙を1枚用意し、真ん中に線を引きます。
2.今、目の前にある事実に目を向けて、どういう状態かを感じます。右側にこの事実によって受けた障害、損失、ネガティブな感情を書き出して見つめます(泣いてもいい)。
3.次に、この中によかったはないか?と考えます。そして、左側によかったを書き出します。
4.どちらの考えが「自分が幸せになるために必要か?」を考えます。そして選んだほうを声に出して読みます。そして、笑います。(無理してでも笑顔になる)
私も、とても辛く感じる出来事がありました。そのことに対して感じている損失やマイナスの感情と、無理やり見つけたプラスの感情。2つを比較して、どちらがいいかと聞かれたら、間違いなくプラスの感情です。
本当は、認めたくないし、そんなことが起こるべきではなかったと思う。つまり、受容できていないんですよね。でも、事実として起きてしまっているし、変えることができません。
そうなったとき、現在のマイナスの状況と、無理矢理にでも作ったプラスの感情とどちらがいいか?と問われたら、間違いなくプラスの方がいい。だから、そのプラスの感情を選択し、そのプラスの感情にあうように行動を選択するということは、すごく理にかなっていると思いました。
紙に書くことで、どちらの道が自分にとっていいかよくわかります。ずっとねたみ、落ち込み、暗い気持ちで過ごす人生より、笑顔で過ごせる人生の方がいい。そう気づかせてくれる方法でした。
たった1つだけ陽転思考しないことを許す
辛い経験を陽転思考してきた和田さんですが、たった1つだけ陽転思考できないことがあるそうです。それは、お母様が亡くなったときのこと。
何でもかんでも陽転思考しないことを許してしまうと、きりがなくなってしまうので、この1点だけ陽転思考しないことを自分に許しているそうです。
大切な人を亡くしてしまったという出来事など、自分にとってどうしても陽転できないこともある。それは自分の中でだんだんと小さくなって、固い殻になり、自分の芯になっていくという表現がありました。
「自分の芯になる」。すごく心に残る言葉でした。どうしても陽転思考できないことがあれば、それを自分に許してもいい。でも、それ以外のことについては陽転できるのだと強い意志を感じました。
陽転思考を日常的に使って、意識を変えていこう
「失敗は見直しのチャンス。悲しみは強くなるチャンス。「失敗してよかった!」とすら言えるようになるのです。これってこじつけでしょうか? 」
そう、和田さんはいいます。
確かに、ちょっとこじつけのようにも感じます。無理矢理、気持ちを持ち上げようとしているし、「○○でなくてよかった」と考えることは、今「○○」の状態にある人に対して失礼のようにも私は感じてしまっていました。
でも、こじつけであってもいい。未来に向かってワクワクした方がいいと和田さんはおっしゃいます。
「あの落ち込みがあったからこそ、あの失敗があったからこそ、陽転できて行動に繋がったともいえる。」
今がどん底だと感じている最中は、この失敗があったからこそとはなかなか思えないものです。けれど、1つの事実に対して、見方を変えて自分の行動のチョイスを変えることで、歩く道が大きく変わっていくことがよくわかりました。
本の中では、陽転思考を実際に使って、人生が変わった方の事例もたくさんでてきます。そんなに簡単に変わらないよ・・・と思ってしまうかもしれませんが、仕事や私生活で役立つ考え方がたくさんありました。
これからの人生の選ぶべき方向が、よく見えてくる本です。知っておくと役立つ考え方がたくさん紹介されているので、是非手に取ってみてくださいね。
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