クレイトン・M・クリステンセン氏をご存知でしょうか?
「イノベーションのジレンマ」という名著を書いた方です。クリステンセン氏が、このたび新刊を出版されたとのこと。こちらの本を読みました!
「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」
(クレイトン・M・クリステンセン)
著者は、顧客がものごとを進歩させることを、顧客が片付けるべき「ジョブ」と呼び、ジョブを解決するために顧客は商品を「雇用」するという比喩的な言い方をしています。
この概念が理解できれば、顧客のジョブを発見するという考え方が直感的にわかるようになるとのことでした。
この「ジョブ」を解決するために、商品を「雇用」するという考え方が面白いなあと思いました。
例えば、先日私がオンライン英会話を始めたことを紹介しました。
オンライン英会話にも様々な形態があり、講師の出身、予約可能時間、アプリの有無などが異なります。その中で、私は予約が不要なオンライン英会話を選びました。
私にとっての重要な「ジョブ」が、「予約不要」という点だったため、それが解決できるオンライン英会話を「雇用」したということになります。
この「ジョブ」は人によって異なり、かつ、その人自身も気づいていないことがあります。
その本人も気づいていない「ジョブ」をとらえて、完璧な解決策を生み出すことが、イノベーションにつながるということですね。
「ジョブは作り出すのではなく、見つけ出すもの」
著者の言葉ですが、なるほどなと思いました。
また、この「ジョブ」を見つけ出すために、データを使用することがあります。
現在はITが普及して、ビッグデータのような大量のデータを集め、使用することができます。
しかし、このデータも偏見が入り込むことがあるので、注意すべきだと著者は警告しています。
確かに、結果として数値があっても、それを判断するのは人間です。
自分が求める方向に、データの内容をゆがめて解釈してしまうことは、ありうることだなと思いました。
データを見るときは、その背景にはどんな思いがあるのか、つまり、どんなジョブを解決したいのかに頭を巡らせることが大切ですね。